縄文時代の信仰と神社との継続性

縄文時代からの信仰と神社信仰との継続性 寺院・神社
縄文時代からの信仰と神社信仰との継続性

最近、縄文時代からの信仰と、神社信仰との継続性を指摘する書物が増えているようです。大きな根拠となっているのが、DNA解析の向上で、

  • 放射性炭素年代測定技術の向上により、(水稲農耕)に代表される弥生時代の開始が繰り上がり、弥生時代の期間が以前より長期間と推定された点
  • 人の遺伝子解析から、男性移住者だけでなく、女性移住者も含まれ相互婚姻がゆっくり進んだと推定された点
  • 従って縄文時代から弥生時代への移行が縄文人と弥生人との同化が虐殺占領型でなく共存同化型であることと推定されるようになった点

が挙げられます。

つまり、コロンブスのアメリカ大陸発見に始まるインディオ虐殺・占領のような文化移行ばかりではなく、多数の縄文人が移住してきた少数の弥生人を受け容れる形もあったとされ、このことにより信仰や言語・文化も含めて混在が進んだということのようです。

神社信仰でいうと、支配者一族信仰や人工的な農耕信仰を強制するだけでなく、縄文時代から続く自然崇拝・(ヒト・動植物を含む)生殖崇拝も残されたということになりそうです。

とはいえ、現在の神社から、縄文時代からの信仰が続いていた場所だと証明するのは、文字のなかった時代でもあり非常に難しいことです。

そこで、一番簡易的に推測される条件として、

  • (平安時代の延喜式など)古書に記載されていた神社
  • 縄文時代頃から崇敬されていたであろう地形(山を見上げる地の麓に川が流れている点など)に立地している神社
  • 近隣から縄文時代の遺跡(住居跡やストーンサークルなど)が発掘されている神社

を「縄文時代からの信仰が続いているであろう神社」として取り上げているようです。

縄文時代の遺跡は、画整理など土地の再開発が進められると土地を掘り起こす前に遺跡調査が進めらることから、首都圏では縄文時代の遺跡が発見されています。

厳密に言うと、縄文時代は1万年以上も続いた時代で、弥生時代に引き継がれる前の縄文時代後期に限定すると、寒冷化が進んで人口も減少していたとされるようです。

皆さんがお住まいの地域でも、縄文時代からの信仰が想定されるような神社が見つかるかもしれませんね。

参考資料

  • アースダイバー神社編(中沢新一著)
  • 縄文神社首都圏篇(武藤郁子著)
  • 世界史とつなげて学べ超日本史(茂木誠著)
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