新年あけましておめでとうございます。
コロナ禍により、昨年・一昨年と札所の開帳中止が相次ぎましたが、今年「寅年」は、多くの薬師如来霊場開帳が予定されています。寅年に薬師霊場が開帳する理由は、記録としては確認できていませんが、「東方薬師如来、西方阿弥陀」に代表される四方四仏に由来するものと思われます。
方位の寅だと東にはならないので得心しかねますが、「薬師=東方」は間違いないようで、寛永寺五重塔に安置されていた木造四方四仏坐像(都指定有形文化財)は釈迦如来・阿弥陀如来・薬師如来・弥勒仏で構成されているそうです。
薬師如来霊場は、南関東地方では、影向寺付近から(旧武蔵一宮とされる)小野神社、武蔵国分寺にかけて札所も多く残されているほか、埼玉県・千葉県にもあります。
参詣する札所数でみると、観音札所の場合は33箇所で構成されることが殆どですが、薬師如来札所の場合、7所・12所から、72所(中武蔵七十二薬師)・91所(関東九十一薬師霊場)などまちまちで、かつてあった東武蔵薬師は112薬師と、開帳期間に全てを訪問するのが難しい札所もあるようです。
12年に一度、しかも開帳期間は花祭り(お釈迦様の誕生日:4月8日)前後1週間の札所が多く、また現時点では開帳されるかどうか微妙な点もありますが、関係者諸兄の皆さんは一昨年前から準備を始めていらっしゃるようです。
新型コロナ流行も落ち着き、 薬師如来霊場が無事開帳されることをお祈り申し上げます。