2月16日に日蓮上人が生誕して今年800周年を迎えるそうです。
歴史の教科書でも登場する著名人でもあり、人物に関して・教義に関して数多くの著作物もあるのでしょうが、先日「日本の旅人日蓮(紀野一義著)」という書物を手にしました。
天津小湊で生まれた日蓮上人は、幼くして地元の清澄寺で研鑽を積み、比叡山へ留学したそうです。比叡山で12年修行を積んだ上人は、地元清澄寺へ帰郷、清澄寺で立宗(所信表明)したそうですが、そこから誹謗中傷がはじまります。
- 地元天津の地頭東条景信に追われ鎌倉へ
- 鎌倉の草庵では焼き討ち遭い
- 執権北条長時により伊豆へ流され
- 伊豆流罪が赦免になり、安房を尋ねた日蓮上人を、地頭東条景信が襲撃
- 蒙古襲来に際して意見したところ、竜の口で処刑されかけ
- 処刑できなかった上人は佐渡へ流罪
- 流罪先佐渡でも襲撃に遭い
- 佐渡流罪が赦免され鎌倉に戻ったものの、意見を聞き入れなかった幕府に愛想を尽かした上人は、身延へ
- 死を覚悟した上人は、(故郷房総を経由して)常陸へ湯治へ
こうした一生を、「旅人」と表現した書物ですが、文字通りの苦難の連続だったようで、身延では餓死者や凍死者も続出するほどの環境だったそうです。
未だ身延山へは参詣したことがありませんが、身延山ひいては佐渡へも足を運びたく思わせるような一冊でした。
なお、日蓮上人の教えは、教義の解釈により多種に広がり、宗旨宗派を超えた「日蓮聖人門下連合会」も結成されています(加盟していない教団もあります)。